次期健康づくり運動プラン作成と推進に向けた研究

ロジックモデルとアクションプラン(領域別)

本研究班では、健康日本21(第三次)のうち、「生活習慣の改善」「生活習慣病の予防」「社会環境の整備・こころの健康・高齢者の健康」に関する目標30項目について、ロジックモデルとアクションプランを作成しましたので、健康増進施策の立案・展開にお役立てください。
ロジックモデルは、個別施策とアウトカム(目標項目)との関連について階層性をもって全体像を示したものです。そして、ロジックモデルに基づいてアクションプランが作られます。

これからご紹介するアクションプランの多くは、国、自治体、医療保険者、企業、保育所・学校等の主体別に、「介入のはしご」を用いて施策(取組)が記載されています。「介入のはしご」は、2010年に英国公衆衛生白書で初めて示されたもので、さまざまな健康増進施策・介入のレベルを整理したものとして世界中で活用されています。レベル8(現状のモニタリング)からレベル1(選択の因子)へと進むにつれて、介入レベルが高くなります。より高いレベルの介入策を立案・実施することが重要と考えられています。

なお、栄養・食生活、身体活動・運動、喫煙については、日本健康教育学会環境づくり研究会との共同により作成されました。その詳細(モデルやプランの説明)につきましては『日本健康教育学会誌』第32巻特別号(令和6年4月刊行)をご覧ください。

(1)栄養・食生活 
【村山伸子】
① 適正体重を維持している者の増加(肥満)
② 適正体重を維持している者の増加(若年⼥性のやせ)
③ 適正体重を維持している者の増加(低栄養傾向の⾼齢者の減少)
④ 児童・生徒における肥満傾向児の減少
⑤ バランスの良い⾷事を摂っている者の増加
⑥ 野菜摂取量の増加
⑦ 果物摂取量の改善
⑧ ⾷塩摂取量の減少
(2)身体活動・運動目標(大人) 
【井上 茂】
① 日常生活における歩数の増加
② 運動習慣者の増加
(3)身体活動・運動目標(こども)  
【山縣然太朗】
① 運動やスポーツを習慣的に行っていないこどもの減少
(4)休養・睡眠 
【栗山健一】
① 睡眠で休養がとれている者の増加
② 睡眠時間が十分に確保できている者の増加
(5)飲酒 
【池原賢代】
① ⽣活習慣病(NCDs)のリスクを⾼める量を飲酒している者の減少
② 20歳未満の者の飲酒をなくす
(6)喫煙 
【片野田耕太】
① 喫煙率の減少(喫煙をやめたい者がやめる)
② 20歳未満の者の喫煙をなくす
③ 望まない受動喫煙の機会を有する者の割合
(7)⻭・⼝腔の健康 
【相田 潤】
① ⻭周病を有する者の減少
② よく噛んで食べることができる者の増加
③ ⻭科検診の受診者の増加
(8)糖尿病 
【津下一代】
① 糖尿病の合併症(糖尿病腎症)の減少
② 治療継続者の増加
③ ⾎糖コントロール不良者の減少
④ 糖尿病有病者の増加の抑制
(9)生活機能の維持・向上 
【西 大輔】
① ⼼理的苦痛を感じている者の減少
(10)社会とのつながり・こころの健康の維持及び向上 
【近藤尚己】
① 地域の人々とのつながりが強いと思う者の増加
② 社会活動を⾏っている者の増加
③ 地域等で共食している者の増加
(11)高齢者 
【近藤克則】
① 社会活動を⾏っている⾼齢者の増加(社会活動を⾏っている者の増加の⼀部を再掲)